エコジョーズの給湯器は一般の給湯器よりも高額です。ちなみにメーカーのモデルケースでエコジョーズの金銭的なメリットが出るのが5年以上。家族の少ない方はもちろん、今回の機種のように施工費が割高になる場合はそれ以上ですね。
体感的に給湯器が故障しだすのが7,8年、設計上の標準使用期間が10年ですので経済的なメリットはそれほど大きくありません。今後のガス料金も流動的ですが、家族の多い方やシャワーの使用時間の長い方、温水暖房、浴室乾燥を多用する方には大きな経済的メリットを生むでしょう。
既設のマンションにエコジョースで取替する場合、中和水の排水の為の設備がPS内にない為設置を諦める事が多いのですが最近では中和器からの排水をユニットバス内に排水する仕組みを取り入れた器具が発売されています。
扉内設置型だとリンナイのKaecco(カエッコ)、ノーリツですとHi・Sui・Sui(ハイスイスイ)の愛称で売られてますね。
リンナイでもノーリツでもどっちでも良いのですが、ユニットバス浴槽内に設置する排水ユニットの大きさがノーリツの方が圧倒的に小さく最近の浴槽は隙間が少ない為、ノーリツしか設置できない事例が多いです。
施工機会は多いのですがいずれもヨソサマのご自宅でしかもフロですので写真を掲載する訳にもいかず、
今回は自宅と言う事で施工の参考にしていただければ幸いです。
機種はリンナイのRUF-TE2000SATです。スペースに余裕があるのと私共の場合はリンナイの方が安いんですよね。メーター的にはRUF-TE2400SATも設置可能ですがマンションの管理規約に基づき20号に収めました。マンションの管理組合さんへの管理規約の確認と工事の申請は大事ですので重々お忘れなく。
工事自体はとっても面倒臭いだけでとても簡単です。ですが単純な給湯器の取替えばかりしている技術者では無理です。順調に施工して概ね一人で3時間程度の工程です。(ちなみに私にとって凄く得意な類の工種です。)
施工説明書に書いてある事は書き飛ばしますね。
1.いつもの事ですが廊下を養生します。長い目に養生するのがポイントです。

2.給湯器は突然壊れるので貸し出し用の給湯器を取り付けています。いつもは概ね一週間前後で正規の取付工事を済ますようにしていますが、今回は自宅と言う事で一月以上放置でした。

3.取付枠のチェックです。事前に採寸していますが必ず一度チャンバー枠に合わせて確認します。

4.既設給湯器の撤去です。一瞬です。

5.給湯器の取付自体はエコジョーズだからと言って特に難しい箇所はありません。給湯器の中身は見慣れたものと随分異なりますね。

6.ユニットバスに移ります。今回のドレン排水ユニットの位置はココ、防水とのカラミもなく良い位置です。マニュアルには書いてませんが必ずユニットのメンテナンス(取替)ができる位置に取り付けましょう。フロアダプターの取替えにも配慮した位置にして下さい。(後で自分が苦労します。)

7.リモコンからの配線取り出し穴の施工。ユニットバスのリブなども調査の上で施工します。孔径30φでした。今回はフロリモコンの真下なので入線は特に簡単です。位置がずれている場合は天井点検口から入線します。

8.ユニットはフロの往き管に接続します。調査するのも面倒ですので今回は適当に配管します。間違っていれば試運転でエラーが出ます。

9.台所リモコンをフツーに取り付け、浴室リモコンはこの状態で試運転します。結線不良とか無きにしもあらずですよ。

10.マニュアルに従い試運転作業。湯はり後、ユニットからの排水を確認します。結構勢いよく出ます。尚、前述の配管は反対でした。給湯器側で繫ぎ直します。ちなみに試運転では上の写真の通りAAA表示時にユニットから排水します。
11.次回の取替えに備えてフロリモコンは配線をしっかり束ねて押し込みます。シーリングは浴室の壁に色を合わせます。だって施工後お客様に唯一見える部分はリモコンだけですからね。ついでにUB壁貫通部分をシーリングします。配線の向きに注意し万が一シーリングが切れても水が浴槽内に落ちるように施工しましょう。


12.当然ばっちり浴槽のパネルも納まります。

13.漏水を確認して保温します。大阪ではあまり保温施工されていない物件が多いようですが保温するようにしています。

14.大阪ガスではエコジョーズの給湯器を設置するとガス料金の割引があります。必ず届出ましょう!所有者票のメーカーへの届出もお忘れなく。いつかお客様の利益になます。

なかなか優れた商品ですが施工リスクも多いので確実な技術をもつ施工店(施工者)選びが価格以上に大事な選択肢となります。ちなみに自分でも給湯器は年に100台程度は取替しますが、大阪市浪速区・天王寺区・阿倍野区のお得意様限定ですので悪しからず。