2014年03月25日

マンションとエコジョーズ

マンション用エコジョーズの施工例です。

エコジョーズの給湯器は一般の給湯器よりも高額です。ちなみにメーカーのモデルケースでエコジョーズの金銭的なメリットが出るのが5年以上。家族の少ない方はもちろん、今回の機種のように施工費が割高になる場合はそれ以上ですね。
体感的に給湯器が故障しだすのが7,8年、設計上の標準使用期間が10年ですので経済的なメリットはそれほど大きくありません。今後のガス料金も流動的ですが、家族の多い方やシャワーの使用時間の長い方、温水暖房、浴室乾燥を多用する方には大きな経済的メリットを生むでしょう。


既設のマンションにエコジョースで取替する場合、中和水の排水の為の設備がPS内にない為設置を諦める事が多いのですが最近では中和器からの排水をユニットバス内に排水する仕組みを取り入れた器具が発売されています。

扉内設置型だとリンナイのKaecco(カエッコ)、ノーリツですとHi・Sui・Sui(ハイスイスイ)の愛称で売られてますね。
リンナイでもノーリツでもどっちでも良いのですが、ユニットバス浴槽内に設置する排水ユニットの大きさがノーリツの方が圧倒的に小さく最近の浴槽は隙間が少ない為、ノーリツしか設置できない事例が多いです。

施工機会は多いのですがいずれもヨソサマのご自宅でしかもフロですので写真を掲載する訳にもいかず、
今回は自宅と言う事で施工の参考にしていただければ幸いです。

機種はリンナイのRUF-TE2000SATです。スペースに余裕があるのと私共の場合はリンナイの方が安いんですよね。メーター的にはRUF-TE2400SATも設置可能ですがマンションの管理規約に基づき20号に収めました。マンションの管理組合さんへの管理規約の確認と工事の申請は大事ですので重々お忘れなく。

工事自体はとっても面倒臭いだけでとても簡単です。ですが単純な給湯器の取替えばかりしている技術者では無理です。順調に施工して概ね一人で3時間程度の工程です。(ちなみに私にとって凄く得意な類の工種です。)
施工説明書に書いてある事は書き飛ばしますね。


1.いつもの事ですが廊下を養生します。長い目に養生するのがポイントです。

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2.給湯器は突然壊れるので貸し出し用の給湯器を取り付けています。いつもは概ね一週間前後で正規の取付工事を済ますようにしていますが、今回は自宅と言う事で一月以上放置でした。

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3.取付枠のチェックです。事前に採寸していますが必ず一度チャンバー枠に合わせて確認します。

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4.既設給湯器の撤去です。一瞬です。

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5.給湯器の取付自体はエコジョーズだからと言って特に難しい箇所はありません。給湯器の中身は見慣れたものと随分異なりますね。

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6.ユニットバスに移ります。今回のドレン排水ユニットの位置はココ、防水とのカラミもなく良い位置です。マニュアルには書いてませんが必ずユニットのメンテナンス(取替)ができる位置に取り付けましょう。フロアダプターの取替えにも配慮した位置にして下さい。(後で自分が苦労します。)

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7.リモコンからの配線取り出し穴の施工。ユニットバスのリブなども調査の上で施工します。孔径30φでした。今回はフロリモコンの真下なので入線は特に簡単です。位置がずれている場合は天井点検口から入線します。

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8.ユニットはフロの往き管に接続します。調査するのも面倒ですので今回は適当に配管します。間違っていれば試運転でエラーが出ます。

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9.台所リモコンをフツーに取り付け、浴室リモコンはこの状態で試運転します。結線不良とか無きにしもあらずですよ。

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10.マニュアルに従い試運転作業。湯はり後、ユニットからの排水を確認します。結構勢いよく出ます。尚、前述の配管は反対でした。給湯器側で繫ぎ直します。ちなみに試運転では上の写真の通りAAA表示時にユニットから排水します。



11.次回の取替えに備えてフロリモコンは配線をしっかり束ねて押し込みます。シーリングは浴室の壁に色を合わせます。だって施工後お客様に唯一見える部分はリモコンだけですからね。ついでにUB壁貫通部分をシーリングします。配線の向きに注意し万が一シーリングが切れても水が浴槽内に落ちるように施工しましょう。

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12.当然ばっちり浴槽のパネルも納まります。

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13.漏水を確認して保温します。大阪ではあまり保温施工されていない物件が多いようですが保温するようにしています。

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14.大阪ガスではエコジョーズの給湯器を設置するとガス料金の割引があります。必ず届出ましょう!所有者票のメーカーへの届出もお忘れなく。いつかお客様の利益になます。

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なかなか優れた商品ですが施工リスクも多いので確実な技術をもつ施工店(施工者)選びが価格以上に大事な選択肢となります。ちなみに自分でも給湯器は年に100台程度は取替しますが、大阪市浪速区・天王寺区・阿倍野区のお得意様限定ですので悪しからず。


posted by 仙太郎 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 給湯器

2014年03月09日

和式トイレから洋式トイレへの改修

数年ぶりのブログの更新です。こんなブログがある事すら忘れておりました。

和式兼用便器から洋式トイレへのチェックポイントです。

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現況調査
・建物構造の確認…鉄骨造4階建1階部分
・排水の確認…塩化ビニール管/直接放流@
・給水の確認…HIVP/大阪市メーター止水25mmA
・設置寸法…室内長さ1000mm、幅考慮なしB
・高さ…FL=框の高さC
・お客様の希望/当方の提案/技術上の提案/予算…一番大事ですねD

@土管などの場合は要考慮A鉛管・ライニング管は要考慮
B一般的な洋式便器全長は800mm、今回はTOTO CS597(723mm)を選択
便器前のスペースは広ければ広いほど良い一般的には400mm以上をキープ
今回は250mm+を目標とする。
C高齢者考慮の場合は框も外し廊下FLと揃える。今回は建具は触らないので框高さ

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着工・解体・配管
・養生…工事以外の床・壁・作業員の通路を養生します。
・解体…軽トラック一杯の廃材が出ます。
・配管…既設排水配管はSU管100mmでした。VU管100mmに変換して施工@
排水立ち上げ位置は本来壁から200mmですがあえて190mmにて施工。
給水位置はホース接続ですのでおおまかでよい。

@私どもでは既存の配管が100であれば100で施工します。75に変換しての
施工は楽ですが、口径が大きい事はトラブルを大きく減少させます。
止む終えない事情で75にする事ももちろんあります。
VU/SUの接続は必ず継手にて施工して下さい。テープ処理はNGです。
条件がよければ更に45度エルボや大曲りエルボで施工しましょう。

壁寸法190はクリアランスを無視した数値です。選択便器により異なります。

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防湿・床下地組

根太…根太は根太受けは集成材を使用しない。スプルースなどホワイトウッドを使用しない。
防湿…防湿フィルムの上、土間モルタル(厚く打てれば尚良い)

下地は大事です。集成材・スプルースの意味も解らない人はそもそも施工しない事

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合板…安価な合板は★★★★でも床板には使わない。正規の合板を選択する事。

配管際、壁際は密着させない。トイレでは人間が姿勢をおおきく変える為、
キシミ音が生じやすくまたその音が響きやすい

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便器の選択

写真は便器・タンクの接続部の写真ですが、取付ボルトが金属製です。
セレストRなど安価な便器はこの部分が樹脂であったりとやはり安物です。
これ以外でもセレストRとは同じTOTO製品でも細部に渡り仕様が異なります。
ま、お客様次第な所です。

ちなみにウォシュレットはアプリコット等高級機以外はネットでTOTO製品を
買えば良いと思います。販路だけの問題ですから安けりゃそれで良いのです。
故障してもメーカーは平等に対応してくれます。

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今回は別の階での施工時に合せてCFシートを施工しますので仮のシートの上に便器を取り付けます。
施工はマニュアル通りですが、もう取付すぎてマニュアル暗記しちゃってます。
後日、便器を再度取り外してCFシートを取付け竣工となります。

この手のトイレは数百件やってきましたが、古い家に真っ白なビニールクロスは止めましょう。
今回腰壁は3×6タイルのまま(一部タイル補修)壁は塗装としました。
正直な話、費用としては全部石膏ボードを貼ってクロス貼りの方が安く済むのですが
若干狭くなり、クロスでは拭く事も出来ず、後々の手すりの増設などもできません。

時を経た建物と施主様のニーズに合った良いトイレができました。

posted by 仙太郎 at 13:25| Comment(0) | TrackBack(0) | トイレ

2009年03月11日

マンション排水管折れます。

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不景気にも係わらず水道管は折れます…。

体感的には冬に良く折れます。(割れます)

写真はマンションの共用排水管の破損修理状況です。


多くはビニール管なのですが、樹脂ですから当然伸縮します。

齢が浅いうちはイイのですが、古くなると折れてしまいます。



最近の物件ですと、伸縮する部材を使用していますが

それでも伸び縮みしますのでイロイロトラブルを起こします。



パイプシャフトに埋設されている事も多く

工事に伴い騒音振動も発生し、苦情も多発します。


配管は建物の血管です。出血は早く治すべきですね。
posted by 仙太郎 at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 水漏れ

2009年02月03日

水道屋さんらしい仕事

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ウチのような町屋の水道屋さんはホント減りました。

今でも多くの水道屋さんは工務店さんの下請けとして

水道工事をやってらっしゃいます。


だから一日、凄い量の配管工事などをするのでしょうが

ウチのような町屋な水道工事店では今となっては

一度に大量の配管をする事は滅多とありません。


いやぁ、たまには職人バリバリって感じの工事もしたいですねぇ。



いやぁ、無理かなぁ。性格的に…。

posted by 仙太郎 at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 各種水道工事

トイレ作り

今日は雨です。


最近は大手さんから、ホームセンターまで猫も杓子もリフォームです。

ウチは水道屋さんですから、当然水廻り中心のリフォームになるわけですが

その内容は多彩です。


数千円の簡単な部品の交換から、家の増築を伴うモノまで

今のところ、確認申請まで含めてウチで施工しています。

(ちなみに、一応建築士です。)


基本的には御客様がおばあちゃんなら、僕は孫のつもりで

御客様がオバサンなら息子のつもりで

仕様を提案し、施工します。


同仕様なら何処よりも激安ですが、激安仕様の提案は致しません。

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↑これなんかは器具のみの取替えで

TOTOのネオレストと言う人気機種です。

古い形式の洋式便器からタンクレスに!と言う依頼は多いです。

工事は半日ですね。

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和式のトイレから同じくTOTOネオレストに交換したものです。

高齢と言うには、まだ若い方ですが女性の一人暮らしですので

将来に備えてと言うお話でした。

このネオレストと言うトイレは非常にコンパクトに出来ており

ウォシュレットを設置するつもりの計画なら

非常にコストパフォーマンスの高く計画性も高い便器です。

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こちらも、和式トイレから洋式トイレへの工事です。

工事に一部介護保健の助成金を用いました。

(介護保健の申請もウチで代行しました。)

引き戸にしたり、夜間にトイレを保温したりと

イロイロ考えを深めています。


最近ではどうか知りませんが、以前は介護保健の業者は

粗悪な工事を行う事が多く、介護保健工事後の修理依頼が

頻発した事も多かったです。

急ぎの工事となる事も多い工事ですが、

是非しっかりとした業者を選んでいただきたいものです。

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店舗内の住宅共用の狭い和式トイレを

床洗い流し洋式トイレを一日で施工したものです。

(しかも介護保健併用です。)


一般的には3日はかかる工事ですが

工法を工夫して一日(!)で仕上げました。

工法は秘密です。

900カクのトイレですが、

TOTOのコーナーリモデル便器にて対応しています。

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広い脱衣室の真ん中にトイレを置いてみました。

TOTOネオレストですと”トイレ!”と言う感じが無く納められます。

脱衣室の中にトイレを設置すると

夜間でも室乾燥機等を用いた暖房の効いた部屋で

用を足せるので好評です。


もちろん、広い脱衣室の中ですので

介護が必要になっても介護する方も楽にお世話できます。


かなりお勧めです。


まだまだ、ご紹介した物件は多々あるのですが


紹介しきれません。


技術的にも、まだまだ工夫の余地はありますが

やはり”愛”ですね。”愛”が無い工事はイカンです。


可愛がっていただけて幸せモノです。






posted by 仙太郎 at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | リフォーム

2009年02月02日

マンションと赤水

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最近蛇口から赤い水が出ませんか?

配管の何処にも鉄を使用していないにも関わらず

検査すると異常に鉄分が出る事案があります。


多くは、目視できない部分の配管部品に鋼材が

使用されている事が多いのですが


原因がポンプである事も稀にあります。

多くの揚水ポンプが鋼製のハウジングを使用している為

経年劣化と共に発錆します。

ポンプとしては丈夫な形式のポンプですが

分解すると錆コブだらけです。


ステンレス製のものに替えて頂けると、その点安心なのですが

どちら様も予算が厳しく、ご提案しにくい状況です。


自宅のモノなら間違いなくステンレス製のモノを付けます。

その方が絶対お得なんですけどねぇ?
posted by 仙太郎 at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ポンプ修理交換

2009年01月31日

魚は・・・。

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とある、鮮魚卸屋さんの給水管です。

台車等も当たるので頑丈にと思ったのか

ライニング交換にて場内を配管していたようですが

塩害にて中のライニングのみになって漏水しました。


同じような箇所が数箇所ありましたので

ステンレス管にて取替え済みです。


明日の朝から、(と言うか深夜から)

営業されるので、ジェットセメントにて

土間を復旧し作業を終えました。


魚屋さんですのものね。塩水が大量に発生します。

当たり前と言えば当たり前ですが

施工された人も予期できなかったのでしょうね。


勉強になります。
posted by 仙太郎 at 15:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 漏水調査

2009年01月15日

銅の管

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マンションに限らず水漏れの修理依頼を多数いただきます。

天井から水が落ちてくるなんて耐えがたいですよね。


水道管には様々な種類があるのですが

パッキン・ネジなどの接続部を別にして

管自体からからの漏水が多いのは銅管です。


住宅では主に給湯管に利用されている事が多いのですが

金属管特有の問題や、適正な圧力流速が守られていない

状態では短時間でピンホール等が発生します。


漏水箇所を特定して、その部分を補修しても

構造上の問題ですので、短期間で別の箇所から漏水します。


もちろん補修時に配管全ての取替えをお勧めするのですが

内装をめくっての工事になりますので

あまりにも一般的ではない費用を要し

なかなか同意を得る事ができません。


で部分補修となり、また数ヶ月後に下の階に水がポトポト…。


大不況の時代に、心苦しい話になります。



※最近のマンションでは樹脂の管が多用され

 施工管理も安定している事が多いので

 上記のような問題は少ないです。



posted by 仙太郎 at 09:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 水漏れ

2009年01月07日

洗いましょう。

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明けましておめでとうございます。

新年早々、受水槽を清掃しておりました。


写真左が清掃後、右が清掃前です。

本来、一年に一度、清掃義務を課せられている

飲料用の水槽です。


御客様の様々な都合で2年に一度、3年に一度…

そのまま忘れて10年ものに出会う事になります。


受水槽があると言う事はポンプや制御機器もある訳で

その辺の点検も兼ねて年に一度の清掃を提案しています。


ビル、マンションの御客様には大切な話です。

一度、信頼できる水道工事店に清掃点検を依頼してみてください。

posted by 仙太郎 at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 各種水槽清掃

2008年12月04日

古いウォシュレット

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※写真は”イザ!”より

古いウォシュレットの出火が相次いでいます。

ウォシュレットとはいえ、加熱部を有する電化製品です。

洗浄部が故障して、暖房便座機能だけ使ってみたり

漏水した水が機能部へ回り込んで、

電気基盤を壊すなんて事は多々あります。


ここまで燃えたのは見た事もありませんが

電化製品としてはかなりハードな使用環境にあるものですので

異常がなくとも、10年を超えて使うのは危険なのかもしれません。


と、いいつつ、我が社のウォシュレットは昭和生まれですが・・・。

posted by 仙太郎 at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 水廻り故障